(1)『学城』第11号全体を貫くテーマは「原点からの辿り返し」である
(2)文章を書き続け,読み返し続ける
(3)対話を継続しなければ認識の発展はありえない
(4)原点からの生成発展を問うアタマづくりが大切である
(5)一般性から事実に問いかける
(6)自ら問題を作り,その答えを導き出していく
(7)実践においては一般論から事実を考えていくことが大切である
(8)自説に対してさまざまな立場から疑問・反論を考える
(9)原点=夢を確認し,学習プロセスを論理化する
(10)指導者として弟子の質問に答える
(11)「独りっきりの二人問答」で論理的な頭脳を創る
(12)原点の位置への戻りをくり返す正規分布図に従ったくり返しをなす
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(1)『学城』第11号全体を貫くテーマは「原点からの辿り返し」である
『学城』第11号が2014年7月に発刊された。前号である第10号が発刊されたのが昨年の12月であるから,約半年後の発行ということになる。『綜合看護』が終刊になってしまった現在,南郷学派から真剣に学ぼうとしている我々にとっては,『学城』が年2回の発刊となったのであれば,こんなにありがたいことはない。そこで我々としては,年間のブログ掲載計画を変更して,『学城』第11号の感想を認めることにしたしだいである。
この『学城』第11号全体を貫くテーマは,ズバリ「原点からの辿り返し」ということだと思う。すなわち,日本弁証法論理学研究会が,どのようにしてスタートを切ったのかという原点と,そこからどのような研鑽を積み重ねていったのかというプロセスを,そして実はこれと同じことであるが,人類の学問がどのようにしてスタートを切ったのかという原点と,そこからどのようにして学問が発展していったのかというプロセスを,読者に理解させ,読者にも同じ道をたどって実力をつけてもらいたい,という狙いがあるように感じられる。これは直接に,『学城』が前号で10号という節目を迎え,今号から新たなスタートを切るにあたって,日本弁証法論理学研究会自体も,原点を見つめ直し,初心に帰って原点から辿り直していこうとされているということでもあると思った。
原点ということでいうと,南郷継正先生による「巻頭言」には,『学城』の構想の原点である『学苑アテナ・ミネルヴァ』大学 基礎講座の内容が改めて紹介されている。我々も『武道と弁証法の理論』(三一書房)でこの内容を見た時,学問の香りが強烈に漂う壮大な体系的構想に胸を打たれ,非常にわくわくした気持ちで発刊を待ち望んだことを思い出す。まだかまだかと待ち続けていたが,2004年にようやく『学城』として発刊され,それから今年で十年もの歳月が流れたのである。
学問構築のプロセスということについては,「編集後記」で以下のように説かれている。
「また(第11号発刊を急いだ)もう一つの理由は次世代の育成のためである。……わが研究会においては志ある若い読者のために,発刊を年二回に増やし,初学者向けの教育が可能な,いわゆる入門編となる論文も掲載したいとの思いが,以前にも増して強くなってきたからでもある。そこで今回は,医学・看護学関連の原稿で,初学者の学びに十分に資すると思われるものを中心に掲載することとした。」(p.203)
「読者諸氏には,本誌を通して,単に出来上がったそれぞれの学問分野の内実を学習するといったことではなく,各執筆者たちの学問構築へ向けての実践の過程とはいかなるものなのかをも読みとっていただけたらと願っている。」(p.204)
ここでは,初学者向けの論文も掲載しているので,「学問分野の内実」だけではなく,「学問構築へ向けての実践の過程」をも学んでほしい旨,説かれている。すなわち,単にゴール地点である現在の高みを学ぶだけではなく,そこに至るプロセス,それもスタート地点=原点からいかなる研鑽を経て学問構築をなしてきたかのプロセスを,しっかりと読みとってほしいというのが,編集者である悠季真理先生の願いなのである。
したがって,今回の感想では,原点からの辿り返しというテーマを念頭に,「各執筆者たちの学問構築へ向けての実践の過程とはいかなるものなのか」をしっかりと読みとるべく,各論文に取り組んでいきたいと思う。
そして,各論文から学んだことを,我々の研鑽にどのように活かしていくべきなのかを,具体的に考えていきたいと思う。したがって,各回の最後に,簡単にでも,今後の研鑽の指針を具体的に提示するようにしたい。
では最後に,『学城』第11号の目次を掲載しておく。次回から各論文を順番に取り上げて,「原点からの辿り返し」という観点から感想を認めていきたい。
◎南郷継正 巻頭言
◎北條翔鷹 実戦部隊飛翔隊修業の総括小論 (第1回)
― 1983〜1988年3月の実戦部隊飛翔隊合宿修業小論
◎神庭純子 【講演録】 看護の現在をナイチンゲールの原点に問う
― ナイチンゲールの発見や取り組みを現代に活かすには
◎悠季真理 哲学・論理学研究余滴 (2)
◎北嶋 淳 人間一般から説く障害児教育とは何か (5)
志垣 司 ― 障害児教育の科学的な実践理論を問う
◎瀬江千史 「医学原論」 講義 (第9回)
― 時代が求める医学の復権
◎聖 瞳子 医療における理論的実践とは何か
高遠雅志 ― 初期研修医に症例の見方,考え方の筋道を説く
九條 静 〈第3回〉 急性A型肝炎 2
北条 亮
◎本田克也 法医学への入門 (2)
矢野志津枝 ― 医学生のための法医学原論
菅野幸子
◎橋本律子 ナイチンゲールが説く看護教育を考える (4)
― 私が受けた准看護学校教育の実際
◎橘 美伽 「武道空手とは何か,その中で護身武道空手とはどのような
位置づけであるべきか」 の 「小論」 をふまえた質問に答える (5)
― 護身武道空手への理解を深め,かつ主体的な人生を生き抜くために
◎南郷継正 武道哲学講義 〔8〕
― 学問とはいわば世界地図を描くことである (再説)
(2008年冬期ゼミ講義詳説)
◎悠季真理 編集後記

