(1)レジュメ1
(2)レジュメ2と提示された論点
(3)論点1:ヘレニズム時代に個別科学が誕生した必然性とは?
(4)論点2:ローマ人が実用に優れていたのはなぜか?
(5)論点3:ヘレニズム・ローマ・イスラムの科学史上の意義とは?
(6)参加者の感想
(1)レジュメ1
2012年4月の例会では,シュテーリヒ『西洋科学史』(現代教養文庫,全5冊)の第5章と第6章を扱いました。ここでは,古代ギリシャの科学がヘレニズムやローマにいかに受け継がれたか,イスラム世界にどのように受容されていったか,ということが解説されています。
今回は,例会のはじめで報告されたレジュメのうち,第5章の部分を紹介します。残りの部分は,次回に掲載したいと思います。
『西洋科学史』
第5章 最初の継承者――ヘレニズムの科学とローマの寄与
一 時代
・アレクサンドロスがギリシア人と野蛮人をへだてていた垣を取り払った
二 科学の中心地 アレクサンドリア
・大量の文献と書物がアレクサンドリアに集まった
三 ヘレニズム科学の特質
・個別諸科学が誕生した
・科学的仕事の方法と技術とが問題にされ、みがきをかけられた
四 ローマ人と科学
・ローマ人は政治や経済の活動に深い関係を持つ分野で独自のことを行った
�T 数学
一 ユークリッド
『幾何学原本』:公理から全命題を論理的に導き出す
二 アルキメデス(円周測定、螺旋の研究、立体幾何学、方程式など)
数学的認識方法を計画的に適用して自然力を十分活用し支配する
三 アレクサンドリアの他の数学者(ヘロン、アポロニオス、ディオファントスなど)
�U 天文学
一 アリスタルコス、古代のコペルニクス
地球・月・太陽の距離の比の算定、月・太陽の大きさの算定、地動説
二 ヒッパルコス(三角法)
三 プトレマイオス
『アルマゲスト』:見かけ上の運動をうまく説明できた
�V 他の自然科学
一 光学(光は目から出て対象にぶつかる直線からなる、光の屈折)
二 アレクサンドリアのヘロン(自動装置・オルガン・水蒸気の利用)
関心の重点が純粋科学から実地応用の問題へとはっきりと置き換わっていた
三 錬金術
四 プリニウス『自然学』
�W 地理学
一 フェニキア人とカルタゴ人
二 地理学の祖たち
フェニキアの成果をギリシア人が体系化
(アナクシマンドロス・ヘカタイオス・ヘロドトス・ホメロス)
三 ピュティアス:北極地の近くまで到着
四 エラストテネス:地球の周囲の測定
五 プトレマイオス:中世の間、基準とされる地図をつくる
六 ローマ時代の地理学(ストラボン、カエサル、タキトゥス)
�X 医学
一 ヘロフィロス:人体の公示解剖、心臓と脳の機能
二 エラシストラトス:運動神経と感覚神経の区別、心臓と血管系
三 ガレノス:古代の解剖学や医学の全知識を統一し体系化した
四 古代医学の意義:医学の基礎を形作った
�Y 精神諸科学
一 歴史記述
ボリュビオス:政治家のための歴史(実用性)、方法的原則の考察・検討
ボセイドニオス、ディオドロス、プルタルコス
ローマ人
二 言語学(セノドトス、エラトステネス、アリストファネス)
←二カ国語の使用、言語の変化
三 法律学
aギリシアの基盤:包括的秩序を問題とした(ストア哲学)
bローマ法の特質:一二銅表法律=慣習法から民衆による立法へ
c大法律家たち:個々の事例を第一義とした
dユスティニアヌスの立法:法律家たちの著作と勅令により法律は発展

